世の奥様方がせっせと行うワックス掛けは、フローリングの寿命を長くしているのか?答えは一概に イエス、と言えない。
塩ビタイルの場合はどうか?答えは文句無く イエス。何故なら、塩ビタイルのメンテナンス方法は、清掃→ワックス掛け→ワックス剥離作業→清掃→ワックス掛け…..と手順がきちんと定まり、履行されているから。
木質フローリングでも同じ事をしているの?→答えはノー。容易にご推察の通り、木質フローリングで、ワックス剥離作業をやるケースはほとんどありません。
何故、剥離作業をしないのか?→剥離剤の主成分は水。その水分がワックスの上から浸透し、悪さをするのです。フローリング本体に染み込み、結果、表面に染みが浮き出たり、フローリング自体が湿気で暴れたりして、トラブルになるのが関の山。
であれば、剥離作業を省くしかない。これこそフローリングの寿命を長くさせてくれない最大の理由だ。
ワックスは経年変化に伴い、徐々に黒澄み、何度も厚く塗れば、段々傷付き易くなり、ひび割れが起これば、当然、汚れはその割れ目に入り込む。
ワックスを塗った事でフローリング本体の表面は守られる。だから、表面は傷まない。でも、代わりにワックスは劣化する。それもフローリングよりもずっと早く、だ。ワックス塗れば塗るほど、フローリングは早いサイクルで、見栄えが悪くなって行く。逆に言えば、汚れたワックスを毎回ちゃんと落とせば、新品時の綺麗な表面は長く維持出来る。
つまり剥離工程が省かれる限り、ワックスの寿命が、木質フローリングの寿命を定めてしまっているのだ。