出来そうで出来なかった事…驚きの無垢フローリング再生技術

職人日記

知り合いから是非会ってほしい(会うべき!?)人がいるので…と言われ、展示会場まで出向いた。

その人とは北陸のビルメンテナンス屋さんの社長さん。規模・実績共に欧州No.1と言われるフローリングメンテナンス専用メーカーの商品を日本の総輸入販売元として、2年前より取り扱い始めたと言う。良く聞く話だが、紹介者から同社のラインナップの中で見るべきと言われたのは、「無垢フローリングの再生技術」だった。

以前にも記した通り(職人日記:お手入れシリーズ①無垢フローリングは削れるのか?)、無垢フローリングの再生は出来そうで出来ない事が、日本では圧倒的に多い。日本の職人に技術が無い?いやいや全然違う。再生を許す環境そして文化がまだまだ日本で育まれていないのが、その理由。新築でも50年も経たずに壊してしまう日本⇔建物は半永久的に使用、内装だけを時々に住む人の好みで替えて行くと言う欧州、それぞれの文化の中で、住居に対する全く違う背景が根底にある事は言う迄も無い。

そもそも論は別として、出来そうで出来ない理由は研磨の際の粉塵、塗装の際の臭気そして塗装後、暫く立ち入れない不便さ等など、枚挙に暇が無い二次的要因なのだ!とは以前書いた通り。

が、この欧州メーカーの技術とマシンは無垢フローリングの再生に関する懸念(=フローリング職人歴25年以上を誇る私の予備知識)をふっ飛ばした。完璧に解決されている。

驚いた、本当に驚いた。

メンテナンスをキチンと施しながら、フローリングを何代にも渡って大切に使うと言う文化は、この様なメーカーの技術の裏付けとサポートがあってこそ、長年の歴史の中で育まれて来たのだ、とつくづく思う。

このメーカーに限らずフローリング先進国の欧州には優れた床材アクセサリーメーカーがごまんとあると聞く。これらが日本でその性能を存分に間違いなく発揮するには、技術+性能だけで足りるか?いや、違う。こんな要素は半分、では残りの半分の要素とは一体何か?

言うまでもない。その技術を、間違いなく、丁寧に、そして確固たる意志の元に使命感を持って日本に普及させようと努力する日本の会社が存在する事だ。そして、それがこの北陸の会社の社長さんだった。この会社の社長の熱い思いに共感し、そして感激した。

あなたがそこまで腹を括るなら、私もプロのフローリング職人として乗りましょう。入居時だけ見かけが良ければ、値段さえ安ければそれだけで良し、で巷に蔓延するカラーフロア(職人日記:2007年3月某日 群馬県内の新築建売住宅にて)にはもう飽き飽きだから。

無垢のみならずエンジニアードフローリング(職人日記:お手入れシリーズ①無垢フローリングは削れるのか?)の再生に対して、頭ごなしに否定する事を反省し、これからは積極的に取り組む気持ちを新たにした貴重な出会いであった。

まだまだ日本のフローリング業界も捨てたもんじゃない、明るい気持ちで家路に着いた満ち足りた一日であった。

*上記、フローリングの再生に関するお問い合わせは、直接アイ・ワークスまでご相談ください。