フローリングの膨れ…判らない原因

職人日記

知り合いの工事屋から頼まれ、相模原のファミリー用賃貸マンションに出向く。4年以上前に請け負った床工事で、部分的なトランポリン(=浮きに拠る膨れ)多発。原因が判らず、困っていると言う。

朝一から乗り込んで、早速、次の借り手がまだ付いていない部屋から、現場調査開始。商品はごく普通の何の変哲も無いカラーフロア。

酷い。見ようによっては、光の加減でさざ波の様に見える、そして踏むとブカブカ。一体どうしたんだ、これは?

フローリング本体と裏面のクッションが剥がれたのか?と思いきや、何箇所かを捲って見れば、しっかり付いている。モルタル下地材との接着面が剥がれているのだ。

含水率?糊不足?だったら、4年間は何も無かったのが、ある時、突然、違う部屋で一斉に、同じ事故が出る訳も無い。フローリングは一流メーカー品。元請はまずメーカー営業マンを呼び付け、原因究明を命じたが、メーカーの正式回答は予想通り「商品に一切問題無し」とある。

それ以前に、まず瑕疵担保期間をとっくに過ぎているよ。

不思議なのは発生箇所が集中せずに、部屋に拠り、全然違う事。でも事故内容は全て同じ。一体、何が起こった??構造上で漏水等の問題が起こったか、もしくは???

残念ながら、その場で原因究明出来ず。

知り合いには悪いが、原因が判らないのに、第三者が一度でも補修を請け負えば、次、同じ問題が繰り返された時、こちらは自動的に加害者。そして原因が判らない限り、同じ問題が起こる可能性は極めて高い。そう、エンドレスで、この事故に付き合う要が出て来る。

「出来ません。面倒見れません」と言って正解だったよな、と自らに言い聞かせつつ、苦い思いで現場を後にする。