新築住宅の床が……………抜けた。
階段の上り口で、フローリングが破壊され根太の間に落ちてしまっている。リビングの一部にも同じ症状。
原因は、家族の体重に、直貼りの安物合板フローリングが耐え切れなかった事!?県内強豪の柔道部所属とやらの高校生の息子の体重100kg超、加えて奥さんは70kg超で、毎日、居間で踏台式健康器具での室内運動に余念無し。
「値段相応の剛性しか無い安物カラーフロア⇔標準体重をはるかに超えた家族に拠るフローリングへの想定外の負荷が原因ですよ」とパワービルダーの若い営業マンは、耳元で私に囁いた。
元々450mmピッチの根太+15mmのフローリングだった施工基準は、戦後の住宅需要期に量産に対応すべく、根太が300mmピッチに狭まるもフローリングは12mm、となった経緯有り。
この基準が、戦後60年、日本人の体型が劇的に大型化したにも拘わらず、そのまま使われている。
体型よりもっと負荷が大きいのが、テレビや冷蔵庫の大型化に加え、ピアノを居間に置く生活スタイル。その重量に加えホットカーペットの普及等、戦後当時からは思いも付かない生活スタイルの変化が、家の中でも進んでいるのだ。
まるで、棺桶に仏さまを合わせる様な事が、住宅ではまだ当たり前の様に行われている。
「コストを下げる」→「無駄を省く」→「全てに余裕が無い」になってやしないかい?柔道部よりも、営業マンよりも、あまりに使い込んでクランクが馬鹿になりかけている踏台式健康器具よりも、真っ二つになったフローリングに同情する。
※カラーフロア:
ラワン合板に突き板(木材を極端に薄くスライスした物)を貼り、塗装して仕上げたフローリングの総称。フローリングに適した木材の少ないこの国で生まれた、日本独特の安価なフローリングで、日本の木質床材の実に70%以上を占める。近年の環境保護運動の高まりは特にラワンの伐採規制強化に直結し、それに拠るラワン合板高騰=コスト高で、大手メーカーを中心にカラーフロアへのラワン合板使用の見直し機運が高まっているが、実際は見合う代替品が無く、なかなか進展しないのが実状。